仙崎市場レポート、3番セリ 平成25年10月29日


29日の火曜日昼前、新市場、南市場に水揚げの船が付き、市場はお昼近くまで仲買さんらがあわただしく出荷の準備をすすめています。

協同丸さん、マアジを中心に巻いていましたけど、チラホラとサワラの姿も!

先週までは毎週のように台風が接近して沖合の風が止まず、沖建網も休漁状態だったのですけど、週明けから水揚げがありましたね。中でも注目魚種が、「ダルマ」。数隻の建網船から市場に届いてます。この秋、ほとんど水揚姿を見てなかったから、ようやく来たか!てな感じ。『ながと食のワークショップ』で提案リストに入れておきながら、ひと月あまりまったく獲れずにレシピから見送ったお魚、という希少性からアカミズより珍魚かも知れません。沖建網の漁師さんに聞くと、他県のダルマは沖止めしてるけど、長門の漁師は獲ってすぐに市場へ出すから鮮度がええんよ、と話してくださいます。近日のうちにダルマを市場で写してきますね。

さて、1番セリの時間から明け方まで、長そでを通して冷え込みを感じるほどになった晩秋から初冬にかけて、仙崎で水揚げの多いお魚をこれからはシリーズで紹介したいと思います。

ところで、長門仙崎市場に水揚げされるお魚はどのくらいの種類があるかといえば、おおよそ400ですが、これは市場での仕切り名。同じケンサキイカでも箱の立て方により複数の仕切り名で登録されたり、鮮魚、活魚の区別もあります。それを統合すると250くらいになるでしょう。なるほど~、そう思いながら長門沖の日本海にはどのくらい魚がいるのだろうと考えてしまいました。

山口県水産研究センターが調べた、『山口県日本海産魚類目録』を見ると約900種が確認されてます。これに頭足類の約50種が加わり、甲殻類、貝類、藻類を加えたらどんだけあるのだろう。全て食用と限りませんけどね、海って素晴らしく豊富な資源を抱えているんだなと改めて覚えました。
それらがまとまった量にならないと市場で取引されませんし、漁師も狙いません。たとえば、秋といえばサンマ、umisachiも昨晩頂まして、うまい~を連発しておったわけですが、仙崎には揚がりません。それからサケ、鮭ですけど、これも目にすることはないでしょう。そこで仙崎限定の冬魚、いくつかありますが今日はカツオ。

今朝の3番で旋網に入ったホンガツオ、通称の土佐鰹。販売部長に聞けば、「これはまだ2キロ程度と小さい、もっと寒くなっての戻りカツオは4キロを超えて脂がサイコーだよ」。一方こちらはカツオはカツオでもイボダイ亜目のマナガツオ。

サバ科のカツオより、近種イボダイ科のダルマ(メダイ)に似てるよね。

この魚は売れん、と販売部長がはじいているところをパチリ。



モンガラカワハギ科のアミモンガラ、仙崎市場では売りに出されていません。ソウシハギのパリトキシン中毒は昨年から注意喚起がなされていますが、一部研究機関の報告によればモンガラカワハギの内臓から検出されることもあるようです。

参考文献
安元健(2013).海産自然毒中毒の最近の傾向.Mycotoxins 60(1) 73-84

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