仙崎市場レポート、2番セリ、平成25年8月20日


 こんにちは、今日は仙崎の2番セリ(5:30開始)からレポート、まずはフグを話題に取り上げてみます。フグといえば山口県下関市の南風泊(はえどまり)市場、天然トラフグの水揚げ日本一で有名です。しかしその漁獲量は年々減っておりまして、昨年はこの40年間で最低の取扱量に終わりました。山口県の研究によるとこのままでは資源の枯渇が危惧され、漁期短縮の制限など火急の管理対策が必要と訴えています。種苗放流があるじゃない、とか養殖事業をしているじゃない、という意見に対し見過ごせない事実として、トラフグに限らず養殖用種苗は電気、飼料代の生産コストに価格が比例し、消費市場の活況と輸入フグの動向に出荷が左右されてしまうのです。

ちょっと難しい話になっちゃったので仙崎の話しに移ります。長門市でもフグの水揚げは右肩下がりの傾向が現れてます。フグは日本近海におよそ50種類いると言われ、厚生労働省が「処理等により人の健康を損なうおそれがない」としているのが22種類。もっと詳しいフグの話は、長門市のふぐ珍味老舗、『松浦商店』さんのホームページから「ふぐコラム」をご覧になるほうがよいでしょう。実にわかりやすく、読みやすく、フグのことがほとんどすべて網羅されていますよ。

仙崎で水揚げされるフグの主力はサバフグ属の種類でクロサバフグ、シロサバフグ(上の写真)、カナフグなど。これらをまとめて「カナフグ」という市場名で取扱い、昨年水揚量の16トンはフグ全体のおよそ2/3ほどありました。

仙崎でもキロ当たり最高で10,000円の値をつけるトラフグが僅かながら揚がりますが、サバフグ属の単価はおよそ1/10程度に収まっており、地元加工業者や食事処で利用されています。「カナフグ」、「トラフグ」以外のフグは…ショウサイフグなどがこれにあたりますが、それらは「フグ」の市場名でまとめられ、全体の1/3弱程度の水揚げ。年によって変動しますけど8月からは11月までがサバフグ属の漁期にあたり、これが終わると他のフグの水揚げが増えてきて、だいたい翌年4月くらいまで盛期が続きますから仙崎市場では年中なにかしらのフグが揚がっていることになりますね。

水揚されたフグはフグ業者に買い取られ一夜干し、みりん干しなどに加工されたり、から揚げ、天ぷらとして食事処で提供されています。フグは下関というイメージが強いのですけど、長門市内でもおいしいフグ料理は堪能できますよ。

そしてこちらがマグロ。日本海産のマグロでございます!
実はumisachiが仙崎市場でマグロをみるのが初めてのことでして、知り合いの仲買さんに、
「ヨコワ(クロマグロの若魚)あがっちょるで~」
と伝えたら、チラ見して、
「コシナガじゃ」。
9キロちょっとのコシナガマグロでした。続けて、
「昨日きちょらんのか、45キロのマグロおったど」

…見たかった~。
なんとなんと、連日、定置網にかかっているのだ。販売部の部長さんに尋ねると、今日のコシナガはあまりに若いので、トンボ(ビンナガマグロ)かもしれんけど…というコメント。この時期から若干数だけど沿岸付近に回遊してくる若マグロが定置網に収まるようです。

日本海側でクロマグロというと意外に思われるかもしれませんが、鳥取県の境港はクロマグロ水揚げが8年連続日本一で、9年目の今シーズンは昨年の倍以上、1333トンを記録して終了しました(日本海新聞,平成25年8月16日)から、おそらく今年も日本一でしょう。昨日のマグロは先にあげた知り合いの仲買さんが落としたんだって。ということは県外に行ってしまったかな。今日のマグロはどこに行くのだろうね!

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