仙崎市場レポート 平成25年8月13日


そろそろお盆前ということで各地の市場が休日を迎えます。仲買さんは盆期間中の販売先と種別数量を吟味し魚を調達。市場が開いていない盆期間中と云えど、流通先で生鮮品をショート(品切れのことです。)させるわけにはいかないのです。また、この期間中は需要も沸騰しますから、これら合わせて人気魚種の確保に走ります。

近隣と主要市場の盆期間中スケジュールを紹介します。

市場名 休市日
仙崎 15-18日
下関 14-16、18日
関西 14-16、18日
関東 14-16、18日

仙崎市場や隣町萩では明日14日が盆前の最終市ですが、下関をはじめ名立たる市場は17日(土)開いています。大商圏を抱える消費地市場の供給が止まることのないよう、各地市場の休みと開場のスケジュールを調整しているのですね。

前段の説明が長くなりました。今週は月曜日から旋網船(中型まき網)の出漁もあって市場は活気が湧いています。また、先に述べたような盆前の需要の後押しがあるため、セリ価格は一部の魚種で過熱を帯びてきました。それは何かと申しますと…「青モノ」とだけお知らせしておきましょう! 13日(火)の1番、2番セリを見てきまして写真はすべて1番です。旬を迎えるダルマ漁が始まってますので、これを捕えたかったんですが残念ながらこの日の水揚げはありませんでした。では目立った魚の写真を出しましょう。

旋網の協同丸さんの運搬船が1番セリに間に合うよう接岸しています。この日は2番も水揚げがありましたよ。どちらもマアジ中心で1番はマサバが多め、2番はマアジ中心で型の良いケンサキイカが入っていました。

どうです?プリッとしてますよね~。ゴマサバは夏が旬なんだけどマサバは秋から冬にかけて脂がのる魚。写真のマサバの一部は照明のオレンジ色に反射して金色に輝いていますけど、実際は青味がかった背中の斑点列が鮮やかでお腹は純白に輝く極上品。夏場はマサバが少ないしこれだけの型が揚がるとなれば、実際のセリで落とされた値に頷くことができます。

マアジです。協同丸さんの出漁によって数がまとまりました。こちらも一部照明の影響を受けてうろこが金色に輝いてますが背中は鮮やかな青銅色の『仙崎トロあじ』。『仙崎トロあじ』宣言発令中ですよ~。

 

 

そして、こちらははじめての登場でしょう、仙崎のアオアジ、ようやくメディアに収めることができました!アオアジはマアジにたいして体高がなく、比べるとわかるんですけどより細い紡錘形と言えばよいかなあ。マアジに比べると味が劣るといわれ魚価もまったく異なります。今年6月、7月のキロ当たり単価を比べると、おおむねこんな割合になっています。

アオアジ:マアジ:タテアジ=1:10:20
*タテアジとはマアジの中でも色形がよく主として釣りモノ

こんなに差があるんだよ。マアジにキロ1000円ついてもアオアジは100円。でも写真見てください、うまそ~じゃない?うまいに違いないでしょ。漁獲量は逆転してマアジの1/10なのです。旬のアオアジはもっと消費されてよいのだと獲れたてを見ての率直な感想。

実はこれを撮っている時、傍らにいらした漁協販売部長とおしゃべりしてて突然、「この中にヒラ(マアジ)が1匹混ざっちょるけど分かる?」。えっ!どっからみてもアオアジですやん、と片っ端から、「コレでしょ」、「コレでしょ」と指差す魚はことごとく外れ。ニヤリと販売部長が手かぎを抜き出し、群れのなかからぐいっと引っかけ揚げたそれはまさしくマアジ。何でわかるんですか~、顔が違うんですか~、と矢継ぎ早に聞いてみたところ、何匹もみていたら魚体の一部で分かるんだよって。旋網船の優秀な選別部隊は、時間と闘いながらの手分け作業だし、ミスもあります。アオとヒラじゃ価格の桁が変わりますから、漁協職員の目視確認はセリに並ぶすべての箱で行われているのです。

旋網船の水揚げが行われている南市場から新市場に場所を移すと、ちょうど刺網の水揚げ真っ最中。獲物は真鯛、かなり量があり活かしたまま持ち帰った真鯛は陸揚げ後に活け締め処理を行って箱にたてていました。

活きのよい真鯛の見分け方って知っていますか。いくつかあるんですけど、分かりやすいのは目の上の紫色したアイシャドウが光っているものです。上の写真はパウチが掛かってて見えにくいため、下の1枚でご覧ください。

綺麗ですよね~、ってこの真鯛オスかもしれませんが・・・、雌雄の区別無く鮮度のよい真鯛は目が窪むことなく透きとおり、体色に浮かぶエメラルドの斑点が輝いています。

そして1番浜でもっとも箱数の多かったケンサキイカ。ちょうどこの時期は春先の大型サイズからスケールダウンし小型中心だったのですが、近ごろ2、3週間は大型が混じっています。下の写真は特に見ごたえのあるケンサキイカ。

ブランドの『仙崎ぶとイカ』が宣言されるのは秋になりそうですけれど、ちょっとこの太り方はどうなんでしょう。セリ値低調の7月前半、小型中心にくらべ、このところのサイズアップと鮮度保持努力によって価格は上昇してきました。

ダルマ、ことメダイの情報はキャリーオーバー(次の機会に)ってことでよろしくお願いします。

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