8月の仙崎市場近況


おはようございます、今日はこの頃仙崎市場に水揚げされているお魚をいくつか案内します。
7月後半は連日の高温、月夜、さらに網船の休漁などがありまして、仙崎市場の水揚げはあまり増えていませんでしたが、この1週間ほどはまとまって揚がってます。まず、写真は土曜の1番浜(2:00開始のセリ)で目についた箱、

晩春からケンサキイカの箱が市場の大半を占拠してきましたけれど、7月のケンサキイカは若干小ぶりサイズに落ち着き全般に水揚げが減ってきた一方、秋から冬にかけて本格的なシーズンを迎える魚がぼちぼち上がり始めています。その代表が写真のサワラ。サイズ的には50cm前後、若干下回るかな?くらいが多く、仙崎では「サゴシ」の市場名で取引されてます。「サワラ」と呼ぶのはもっと大きなサイズですが、厳密な測定分けはしていないそうです(情報元:市場販売担当者)。取引状況をみれば、箱に3尾以下から「サワラ」、4尾以上から「サゴシ」と分けられています。

脂がのってくるのは寒い時期、12月くらいでしょうね。でも淡白な白身でクセのない魚ですから、調理方法はかなり考えらますよ。フライ、ムニエル、マリネ、酒蒸し、味噌漬け…、味が若くフレッシュで柔らかいサゴシを楽しめるのが秋となります。

真鯛です。見事です。仙崎の真鯛はほとんどが一本釣りか沖建網で獲られます。仙崎市場で「マダイ」と呼ばれるのはサイズの大きな真鯛のことで、「小ダイ」として取引される真鯛は箱に4尾以上立てられるサイズをいいます。下の写真、これは小ダイですね。

そういえばこの夜はここんところ絶好調の「ヤズ」を見かけない。市場関係者と話しながら、「ヤズ刺しは2番だよ」(解説:ヤズを狙う刺網であるヤズ刺し網漁船がセリに出すのは5:30からの2番セリ)と聞いて「しまった~」、写真撮りたかった。そしたら、umisachiくん、ちょっとこっちに来てみな、めずらしいブリが揚がっちょるから。おっ!なんでございましょ~、

 

まだ小さい型ですけど大きくなれば1メートルを超える、「ツムブリ」。ツムブリは初めて目撃しました。ブリに比べると顔が尖ってるし、黄色ラインの入り方もちょっと違うんですね。「ツムブリ」の漢字は「錘鰤」、英名は”Rainbow runner “。なるほど紡錘形の「錘」があてられてる。”レインボーランナー”ってなんだかカッコいい名前です。もうひとつ小ネタを披露しますと、このツムブリはブリ属の仲間じゃないのです。ブリ属では、「ブリ」、「ヒラマサ」、「カンパチ」など皆さんごぞんじのラインナップ。で、ツムブリは同じアジ科でもツムブリ属でありまして、この属の種はツムブリしかおりません。
そうそう、余談ですが出世魚と呼ばれるブリは各地でいろいろな呼び方をされてます。このブログを関東の方がごらんになると、これまで随分聞きなれない魚名がでてきたことでしょう。関東ではブリが成長するにつれて、

ワカシ⇒イナダ⇒ワラサ⇒メジロ⇒ブリ

関西だと

ワカナ⇒ツバス⇒メジロ⇒ブリ

仙崎市場では

ヤズ⇒メジ⇒ブリ

ハマチとは養殖物のヤズサイズくらいのブリを呼び、天然ものに対してハマチは使いません。ヤズとメジの区別に測量的な基準を設けておらず、およそ2キロ以下はヤズとしているそうです。

話しがどんどん逸れてしまいましたが、こちらも夏に水揚げの増えるハタ科の魚。

キジハタとアカハタ。市場名「アカミズ」のキジハタについては別にコラムを予定しておりますから、もう少しお待ちくださいませ。

今度は日付変わりまして、5日の2番セリ。ヤズ狙いで出かけたところこの時はよい型のヤズがなく写真は断念。ふと横を見れば見事なカジキが箱からはみ出すように横たわり、全長1ヒロくらい。危ないので吻(ふん)は切り取られてましたが、見とれているうちにセリ落とした仲買さんが連れ去り、シャッター押すの忘れてしまった…
このカジキはバショウカジキです。重量は24kgありました。仙崎ではマカジキより多く取れるカジキがバショウカジキで、市場名「バレン」。ちなみにマカジキは「カジキ」です。夏から冬にかけて多く、主として定置網にかかります。この日は黄波戸定置網の水揚げでした。

今朝は網船が少なくかご漁の取引が目立ち、タコ、アナゴがたくさん。一本釣りはイサキが少々。他ではアカニシ。これも写真なくてすいません。刺身で食べると美味しいんですよ。個人的になってしまいますが、サザエより格段に美味。まとまった量がなく回転寿しチェーン店では流れないと思います。地産地消にとどめるには惜しい食材なんだけど、長門市内の魚屋さんで見かけたらぜひご賞味ください。

2番セリは魚も多く仲買さんもたくさんいます。あちこちでセリが立ち、見学に慣れないと見たい魚を見失うはめに。セリ落としてから仲買さんの仕事が早いこと、片っ端から台車に乗っけられて荷作りに回されます、と言い訳(汗;)

これはなんというエビでしょう、あんまり見たことないでしょう。吾智網の漁師さんに見せてもらいました。アカエビ、クルマエビ、・・・エビ(これも分からず)、シャコ、などいっぱい獲れていましたよ。その中からこのエビちゃん、数匹しかおりませんでしたが、名前は「鉄砲海老(Pistol shrimp)」。

まだ揚げたてで生きているからキレイですね。ほんとうは右のはさみを映したかったんです。このエビの名前の由来である、『パチッ!パチッ!』という威嚇音をだす大きな右はさみを隠したままでした。

こんな巻き貝が網に入ったことが無いから調べてみてよ、と渡されたのが写真の貝。夏休みの宿題ですね!
これは「ウストンボ貝」。日本沿岸域の砂地で割とよく見かける種類みたいですよ。

貝殻を使った作ったおもしろいサイトを見つけましたから、最後に紹介しておきます。

かいのどうぶつえん

発想がとてもかわいくてまねしたくなりませんか?ウストンボ貝もご覧のようなダックスフントに!

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